とある建築計画で、建物と外との一体性を考えている時に
「窓」について改めて考えることがありました。
窓は外界と室内を繋げる最後の砦。
外と明確に区別する理由は色々。空調効率や全天候対応etc…
とりわけ住宅に至っては、時代も移り変わり
如何に外の熱を断つか、に国から工務店までが注力している。
窓は壁よりも断熱効果は低い。
※詳細は割愛。
では、窓がない方がいいかというと、日光は欲しいと。
法的に採光が求められているという事もあるが、
窓がない家に住むことなど想像している人は少ない。
地球に住んでいるにもかかわらず
地球環境が与える風や雨、あるいは雪、温度は排除しつつ
宇宙の遥か先にある太陽の光は取り込むのが当たり前、という現実に少し笑えてしまった。
という脱線した話になってしまいましたが。
「窓で8割が決まる」という話を聞いたことがあります。
建物の見た目の事を言っている部分もあるのでしょうが、
私は「如何に窓を開けられるか」だと思っています。
どうあっても私たちは自然と共にある。
例えば、四季の移り変わり。
部屋の中で旬の食材を食べたり
外の様子を視覚だけで感じるのではなく、
肌でも温度を感じとり、鼻で香りを捉えて、耳で風や水、時には鳥や木々の音を聴く。
絶えず変化する自然を全身で感じ(恩恵を受け)取る事が、人間らしい生活の様に感じます。
窓を如何にデザインするか毎回試されます。
この「デザイン」は、形や位置という結果のことではなく、
「如何に窓を開けられるか問題の解決」の事を指しています。
人を外界から守る機能も有する「住」を考えるのが仕事の人間が、
如何に外界と繋がるか!と言っている矛盾にも、また一興。